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坂本宗司の日記


by sakasoo

工藤雄一トリオ

本日(23)スワンで工藤雄一トリオを聴いてきました。

メンバーは工藤雄一(P)、カイドーユタカ(B)、国場幸孝(Ds)でした。

レギュラートリオです。

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演奏した曲は

1st set

1.酒とバラの日々

2.バース

3.ザ・プレイヤー

4.スプリング

5.ナイト・アンド・デー

2nd set

6.モンクス・ドリーム

7.スリーピング

8.オール・ザ・シングス・ユー・アー

9.ボレロ

10.プレイ

enc.

11.ステラ・バイ・スターライト

でした。

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工藤さんは御病気で演奏活動を休止していた時期があり、現在も闘病中だという事なのですが、小康を得て活動を再開しているという事です。

スワンには3年ぶりだったそうです。

工藤さんの演奏は洗練されたヨーロピアン・スタイルだと思っていまして、その屈託のなさで正直印象が薄いイメージがありました。

3はペトルチアーニの曲、2,4,7,9,10は工藤さんのオリジナルです。

闘病中という予備知識があったからなのでしょうか、今夜の工藤さんからは強い信念が感じられ、“深い凄み”みたいなオーラが発せられていたように思いました。

オリジナル曲もそれぞれ味わい深く、7はフリーキーな展開になるのですが、そのフリーキーさも洗練されたクラシックの難曲を聴いているようで、工藤さんの本質を垣間見たように思いました。

このトリオにどうしてカイドーさんが参加しているのか、正直不思議に思っていたのですが、工藤さんの洗練にはカイドーさんのスパイスが必要なのだ・・・なんて思ったりしました。

8の最後のバースで工藤さんとカイドーさんの複雑なやり取りがあって、このバンドの真骨頂だと思いました。

9は国場さんがマレットでボレロのリズムを刻み、工藤さんの凄みが沸き上がってくるように感じました。

10はお馴染みの、このバンドのテーマのような、洗練されたヨーロピアン・スタイルそのもののような曲だと思っていたのですが、ここでも今までとは違う感銘を受けました。

今夜のスワンは、復活した工藤さんを応援しようとするかのように沢山のお客が詰めかけ、静かに熱心に演奏に聴き入っていたと思いました。

素晴らしかったです。


# by sakasoo | 2024-02-24 01:13 | Comments(0)

SHIORI TRIO

昨日(18)、川越一乗に行ってSHIORI TRIOを聴いてきました。

メンバーは三上志織(vo)、天辰直彦(fl)、鷲尾広太(g)でした。

一乗さんのママは、以前入間ジャズクラブ会員であったIさんと幼馴染で紹介され、何回か行ったことがあります。

バラエティーに富んだ独自のライブ企画で、行きたいと思う事も度々あったのですが、ここのところご無沙汰していました。

三上さんは、やはり入間ジャズクラブ会員のTさんが信奉する中山英二氏プロデュースのCDで気になっていまして、一度聴きたいと思っていたのでした。

鷲尾さんも初めてでした。

午後3時開始のアフタヌーン・ライブです。

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演奏した曲は

1st set

1.ディス・ハッピー・マッドネス

2.アイ・キャント・ヘルプ・イット

3.エンジェル・アイズ

4.ワンノート・サンバ

5.アフロブルー

6.ナイト・アンド・デー

7.ハウ・ディープ・イズ・ユア・ラブ

2nd set

8.ステイプル・メイツ

9.ガール・トーク

10.スピーク・ロウ

11.バタフライ

12.ラウンド・ミッドナイト

13.ラブ・ダンス

enc.

14.イパネマの娘

でした。

最初から3人で演奏しました。

1はジョビンの曲だという事ですが聴き馴染みがなく、2はマイケル・ジャクソンの曲ですがケイコ・リーの歌唱で知っていまして、面白い選曲だと思いました。

予想外の展開でした。

三上さんは地元川越出身で、4を唄う時にいつも川越祭りのことがイメージされてしまうって言っていました。

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Vo,fl,gという変則トリオですので、3人が一つになって音楽を作るというようなバンドで、三上さんもマラカスを振ったり、楽器奏者のようなアプローチをしていたと思いました。

7はビージーズのヒット曲で、好きな曲ならなんでもジャズにするというような姿勢が感じられました。

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セカンド最初の8はバックのお二人で演奏しました。

鷲尾さんはギターの特性を充分に生かす演奏で、幅広くバンドを鼓舞していたと思いました。

11が面白く、12は独特の深い解釈で秀逸でした。

天辰さんの魂を込めるような演奏はいつもながら凄かったです。

この3人での演奏は今回が初めてだったそうですが、一乗さんのライブはこのように面白い企画が沢山あるのです。

日曜日の午後ライブは私的にはありがたいのでした。

素晴らしかったです。


# by sakasoo | 2024-02-19 21:46 | Comments(0)

田山ひろみ+3

本日スワンで田山ひろみ+3を聴いてきました。

メンバーは田山ひろみ(Vo)、安保徹(Ts)、吉田桂一(P)、荒巻茂生(B)でした。

田山さんはスワンでは半年に一度くらいのペースでライブをやっているのですが、私は20189月以来2回目でした。

前回は吉田さん、荒巻さんとのトリオでしたが、今回は安保さんが加わりました。

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演奏した曲は

1st set

1.ホエン・ライツ・アー・ロウ

2.ヒーズ・ファニー・ザット・ウェイ

3.ゼア・ウィル・ネバー・ビー・アナザー・ユー

4.アイ・リメンバー・ユー

5.リトル・ボート

6.グッド・モーニング・ハートエイク

7.ギブ・ミー・ア・シンプル・ライフ

2nd set

8.イージー・トゥ・リメンバー

9.ジャスト・イン・タイム

10.ル・クワフール

11.ハニーサックル・ローズ

12.アウト・オブ・ノーウェア

13.ジ・エンド・オブ・ア・ラブ・アフェア

14.ザ・グッド・ライフ

15.ラップ・ユア・トラブルス・イン・ドリームス 

でした。

案外マニアックな選曲だと思いました。

5はボサノバのよく知られた曲ですが、唄う人はあまりいないのではないかって思います。

10はデクスター・ゴードンの自転車「ゲッティン・アラウンド」に収録されている曲で、これに歌詞をつけた日本人がいるそうです。

フランス語だという事ですが、床屋という意味だそうです。

412はインストで、3人で演奏しました。

前回もそうでしたが、途中でインストを挟むという構成です。

9はライブに来ていた田中真美子さんがシットインしました。

太目な艶のある声でした。

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田山さんは声量豊かで、マイクを半分くらいしか使わない感じでした。

曲の解釈も独特で、あっけらかんとした性格なのでしょうか、前向きで肯定的なステージでした。

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バックのお三方はそれぞれの実力を充分に発揮し、安保さんの豪放さ、吉田さんの流麗さが田山さんを引き立てました。

荒巻さんはいつもの少しフリーキーなところを封印し、あくまでもストレートアヘッド、ジャズベース本来の楽しみを思い出させてくれるような快適な演奏をみせて、恐るべき懐の深さを感じさせました。

4人が一緒になって演奏を楽しんでいるのが分かるポジティブなライブでした。

素晴らしかったです。


# by sakasoo | 2024-02-10 01:25 | Comments(0)

吉田桂一トリオ

昨日(2)スワンで吉田桂一トリオを聴いてきました。

メンバーは吉田桂一(P)、冨樫マコト(EB)、小沼奏絵(Ds)でした。

このメンバーになって聴いたのは5回目で、昨年10月以来です。

今回冨樫さんは指にまめができたということで、エレべを弾きました。

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演奏した曲は

1st set

1.バット・ノット・フォー・ミー

2.ホエア・アー・ユー

3.ワンス・アイ・ラブド

4.イッツ・イージー・トゥ・リメンバー

5.インセンティブ

2nd set

6.ホリーランド

7.アイ・リメンバー・エイプリル

8.ニアネス・オブ・ユー

9.アイブ・ネバー・ビー・イン・ラブ・ビフォー

でした。

1はガーシュイン、2はジミー・マクヒュー、3はジョビン、4はリチャード・ロジャース、5はホレス・シルバー作曲です。

このトリオは主にジャズ・スタンダードかジャズマン・オリジナルを演奏するというコンセプトがあるようです。

トリオ結成4年目になるのかと思いますが、明確なコンセプトのもと吉田さんのいぶし銀のピアノプレイが光りました。

小沼さんはダイナミックになったと思いました。

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客席にはアルトの中島朱葉さんがいて、楽器を持参していたのでシットインするのかと思っていましたら、セカンドははじめから最後まで演奏に加わりました。

6はシダー・ウォルトンの曲で吉田さんの選曲かと思われ、テーマは吉田さんが弾いたのですが、7,8,9は「次はバラードで・・・」、「次はアップテンポで・・・」みたいな打合せを吉田さんが言って、中島さんが曲名を提案するという形での選曲でした。

ゲストというよりカルテットの一員という形でした。

中島さんはバッパーの本領を発揮しました。

このトリオは吉田さんが若い二人を鍛えるでもなく、二人から若い感性を頂くでもなく、この3人でなくてはならず、若い二人を対等に扱い、一緒に音楽を作る仲間という意識で演奏しているのだ思っていたのですが、それでも若い二人は吉田さんに刺激され、吉田さんは若い感性を生かしているのだと思いました。

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以前の吉田トリオ{佐々木悌二(B)、渡辺文男(Ds)}を最後に聴いた時、小沼さんが1曲シットインしたのですが、今回の中島さんの参加は今後に繋がるのかって思ったりしました。

吉田桂一+若手・・・

素晴らしかったです。


# by sakasoo | 2024-02-03 14:30 | Comments(0)

昨日(1)、六本木アルフィーに行って「若林みわ "CDリリースライブ"」を聴いてきました。

メンバーは若林みわ(vo)、大林武司(p)、小川晋平(b)、中村雄二郎(ds)でした。

若林さんのニューアルバム「エスプレッシーボ」のメンバーです。

若林さんと中村さんは初めて聴きました。

午後7時半開始で901ステージです。

最近のアルフィーはこのシステムだそうです。

はじめにトリオで1曲演奏しました。

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このトリオは「トリオ・ルネサンス」という名称が付いていてアルバムも出しています。

大林さんは20212月に、コロナ禍での全国47都道府県ソロピアノ・ツアーを敢行しまして、埼玉公演は入間ジャズクラブ主催の武蔵ホールでのコンサート以来のお付き合いで、若林さんのニューアルバムは気になっていました。

2曲目から若林さんが登場し、「オン・ア・クリア・デー」、「テンダリー」、「ワッチ・ホワット・ハプンズ」、「アイ・ラブ・ユー・ポーギー」、「マイ・フェイバリット・シングス」、「ソー・メニー・スターズ」などスタンダードを唄いあげました。

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トリオと渡り合い朗々とスキャットしたり、大林さんとのデュオではしっとりと聴かせたり、その場で4人が自由に曲を発展させてゆくところなど、ファースト・アルバムを出したばかりのシンガーとはとても思えない、長いキャリアを感じさせる堂々たるステージでした。

主にアルバム収録曲を演奏したのですが、全曲大林さんのアレンジが効いていて、どの曲もドラマチックな展開をみせ、主人公が乗り移ったかのようなトランスを垣間見せる若林さんが凄かったです。

中村さんの無感情の乾いた精密な演奏もよかったです。

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若林さんは普段は主に静岡で活動をしているそうですが、静岡出身のアルトの中山拓海さんが来ていて、アンコールは中山さんが加わり、中山さんをフューチャーする「オー二ソロジー」を演奏しました。

チャーリー・パーカーの曲で恐らく歌詞はないかと思われますが、若林さんはスキャットで難なく楽し気に唄い、満席の店内はおおいに盛り上がりました。

ミーシャの音楽監督として毎年紅白で見かける大林さんが、ローカル・ミュージシャンといってもいいシンガーのアルバムを手掛けた意図がはっきり分かる極上のライブでした。

素晴らしかったです。

昨夜もそうですが、若林みわ+大林武司トリオ・ルネサンスは昨年秋からレコ発ツアーをやっていまして、46日には埼玉公演として入間ジャズクラブ主催で、所沢音の迎賓館サウンド・オブ・アートでコンサートを開催します。

こちらでは殆どライブをやってない若林さんは、初めて聴く方も多いかと思いますが、この4人は凄いです。

ぜひ予定に入れて頂きたいと思います。

よろしくお願い申し上げます。


# by sakasoo | 2024-02-02 16:55 | Comments(0)