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坂本宗司の日記


by sakasoo

大東京モダンミュージックの世界

昨日(六日)、江戸東京博物館ホールにて行われた「大東京モダンミュージックの世界」観覧。
戦前の和製ジャズ・ソングの復刻・企画をしているレーベル、ぐらもくらぶ主催。
午後一時開演に合わせ早めに両国駅に着き、ガード下のちゃんこ屋で深川めしを食し、いざ会場へ。
木戸銭千五百円を支払い、場内に入ると妙齢の和服のご婦人やモボ・モガを彷彿とさせる紳士淑女が目立ち、吾輩の蝶タイも自然なり。
演目は三部に分かれ、第一部は「蓄音機で聴く戦前日本のジャズ世界」と題され、ぐらもくらぶ主宰保利透氏、音楽家大谷能生氏、音楽ライター毛利眞人氏の三人の座談により進行。
毛利氏所蔵の蓄音機でSPレコードをかけ、二村定一、川畑文子、ディック・ミネ、天野喜久代のヒット曲や、銀座のカフェーの女給の唄、エロソングまで、戦前の猥雑な雰囲気を紹介せり。
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第二部は「浅草六区と浅草オペラ・戦前の大衆芸能」と題し、上記三氏に加え大衆芸能研究家岡田則夫氏、浅草オペラ研究家小針侑起氏、活動写真弁士片岡一郎氏による座談で、大衆芸能で栄えた浅草を偲ぶ。
各氏ともその分野の第一人者、水を得た魚の如く饒舌なり。
オペラ、活動写真の興亡を解説せり。
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片岡氏による活弁の実演あり。
当時使われたカーボンマイク使用、臨場感あり。
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阪東妻三郎の高田の馬場の決闘など、片岡氏の語りは立て板に水、興奮せり。
欧州で作られた「赤ずきん」は、狼役に大型犬を使い、場内大爆笑。
片岡氏はまだお若いとお見受けしなりが、その精進に関心せり。
泊という二人組に手風琴奏者を加えた演奏あり。
山田参助(vo)、武村篤彦(g)、香取光一郎(acc)という構成なり。
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東京節、書生節、エロ歌謡など披露せり。
第三部は「若きジャズマンらによる戦前モダンミュージック座談会」と題しが、青木研(bjo)、渡邊恭一(ts)、大谷能生(as)の演奏に多くの時間を充て、演奏の合間に保利氏、毛利氏が演奏者と語り、解説するという構成となる。
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「セントルイス・ブルース」、「ダイナ」、「りんごの木の下で」、「フー」、「マイ・ブルー・ヘヴン」、「ラヴァー・カム・バック・トゥ・ミー」など、スイング時代の演奏様式は巧みなり。
長時間に渡る催し物であったが、大変有意義でおおいに満足せり。
by sakasoo | 2014-05-07 22:03 | Comments(0)