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坂本宗司の日記


by sakasoo

nishio band

本日(2)スワンでnishio bandを聴いてきました。

メンバーは西尾健一(Tp)、小山道之(G)、柳隼一(P)、吉武健次(B)、関根豊明(Ds)でした。

昨年9月以来です。

西尾さんのバンドは20年以上前からところどころ観ていますが、その都度といっていいほどメンバーが変わっていました。

今夜は前回と同メンバーで、そのとき初めて目にしたnishio bandというバンド表記も同じで、これでレギュラーにしてゆこうと考えているのか・・・なんて思いました。

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演奏した曲は

1st set

1.116()

2.吠えるホエール

3.真夜中パトロール

4.お化け屋敷

5.踊る蜜蜂

2nd set

6.たまたま

7.夜のくまもん

8.5963

9.ピーポーピーポーピーポー

enc.

10.117()

でした。

全て西尾さんのオリジナルです。

前回もそうでしたがnishio bandは全曲西尾オリジナルを演奏するバンドだという事なのだと思いました。

それ以前は初めに必ずスタンダードを演奏していたのでしたが、西尾さんには優れたオリジナル曲が沢山あり、メンバーの固定と充実とともに自信の表れにように感じました。

1は今年116日に出来た曲だということで、仮のタイトルだという事でした。

大昔「ナベサダとジャズ」というラジオ番組があり、貞夫さんの生演奏が聴けたのですが、その際「まだタイトルが決まってないのですが・・・」と言って演奏を始めることたびたびあったことを思い出しました。

西尾さんの今の音楽的充実ぶりを伺わせました。

2は前回も演奏したのですが、ドラムソロで始まりドラムソロで終わるというアレンジで、曲の進化を感じました。

3はこれも最近出来た曲だということでしたが、ベースソロで始まりベースソロで終わるという展開で、2も含め最近加えた若いお二人を鍛えているような“鯔背なアニキ“の心意気を感じました。

4は以前はドラムのマレットプレイを効かせるバラードだったのですが、今夜は少し躍動させるような演奏だと思いました。

5はお馴染みの、蜜蜂の飛翔の様子を思わせるエネルギー溢れる曲です。

6も最近出来た曲で、睾丸ではなく偶然の意味だそうですが、西尾さんは同じ言葉を2度重ねることが日本語には多いこと面白いと思っているそうで、たとえばカリカリ、ジュクジュク、キラキラなど、これも曲が先にできてあとからタイトルを考えたのではないかって思いました。

7,8,9はお馴染みのオリジナルで(8はご苦労さんの意)、どれも印象的なリフレインが効果的に出てきて、盛り上がり方が徐々に水準を超え、9で興奮度が最高潮に達しました。

10も新曲で117日に出来た曲だという事でした。

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メンバーも固まり、曲も次々に湧き上がってきて、西尾さんの音楽が横溢したライブだと思いました。

素晴らしかったです。


# by sakasoo | 2024-03-03 01:13 | Comments(0)

本日(24)、越生山猫軒に行ってミヤマカヨコ(vo)&栗田妙子(p)DUOを聴いてきました。

栗田さんは初めて聴きました。

山猫軒は越生の山の中にあるギャラリー・カフェで、ライブもやっているということで存在は以前から知っていたのですが、行ったのは今回初めてでした。

越生駅は東武越生線の終着で、JR八高線と接し、交通の要衝でもあります。

越生駅から送迎もあるとのことでしたが、車で行きました。

自宅から八高線沿いに走り、越生駅を過ぎたあたりから左折して山道に入り、次第に細くなる上り坂をカーナビを頼りに行ったのですが、最後はナビも道路を感知せず、行き止まりまで行って引き返し、途中で看板を見つけなんとかたどり着いたのでした。

山の中腹にぽつんと1軒立っているまさに「注文の多い料理店」です。

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靴を脱いで入るシステムです。

中は広くゆったりと25席ほど、ステージをかこむように二階席もあり、合わせるとキャパ50くらいはあると思いました。

大きな薪ストーブで暖房していました。

トイレも広くきれいでした。

午後6時開演。

はじめに点灯式ということで、ライブではいつもやっているのでしょうか、天井のシャンデリアを下げ、出演者が蝋燭に火を灯すセレモニーをやりました。

演奏が始まると客電は消され、シャンデリアの蝋燭の明かりとスポットライト1つだけの照明で、野趣溢れるライブでした。

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演奏した曲は

1st set

1.サマータイム

2.枯葉

3.ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド

4.空堀川

5.アイム・ビギニング・トゥ・シー・ザ・ライト

6.ムード・インディゴ

2nd set

7.ブルームーン

8.オーバー・ザ・レインボウ

9.イン・ウォークド・バド

10.越辺川

11.モンクス・ドリーム

12.リフレクションズ

13.マイ・フェイバリット・シングス

enc.

14.明日に架ける橋

でした。

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ミヤマさんは、20年以上前は佐藤允彦トリオをバックに渋谷ジャンジャンで定期コンサートをやっていて何回か観てますし、1999年の第2回グリーンティーJAZZフェスティバルや、2001年の入間ジャズクラブ第1回ジャズデーコンサートにもご出演で、その頃もボーカルに対する厳しい姿勢を感じていたのですが、その後次第にアバンギャルドに向かい、ここ15年くらいで10枚の異色作を次々と発表していているのでした。

その変貌に唖然としていたのですが、以前What’s Jazzのレギュラー・パーソナリティをやって頂いたご縁で、ここ数年何回か私の回にゲスト出演して下さっていて、一連のアルバムは全て聴いていました。

お話を伺う中で思ったことは、ジャズボーカルに対する真摯な姿勢と飽くなき追求だという事です。

2022年になって「ミヤマ外伝~スタンダードの巻~」、「バの7 ハグレファンキー」、「バの」の3枚をリリースし、激しいリリース攻勢は一段落したように思っています。

「ミヤマ外伝~スタンダードの巻~」はジャンジャンの頃を懐かしむ声に押されたものと勝手に思っているのですが、最近のミヤマさんはアバンギャルドとスタンダードの二つのライブを並行してやっているようです。

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そして本日のライブなのですが、はじめ二人でフリーインプロのような感じから次第に1になってゆきました。

このライブは昨年9月にやる予定だったのですが、栗田さんの体調不良で本日に延期され、丁寧なリハがあったのでしょうか、続く2も季節外れの曲となったのでした。

ミヤマさんの曲に対する真摯な姿勢が感じられました。

3は「ミヤマ外伝~スタンダードの巻~」に収録されています。

410は栗田さんのオリジナルで、ピアノソロでした。

栗田さんは曲のタイトルに川の名前をつけるのが多いらしいです。

どちらも美しい演奏でした。

4は武蔵村山から栗田さんの地元清瀬で柳瀬川に合流する川、10はこの山猫軒あたりから始まり入間川に合流する川で、どちらも地元色が強く、タイトルが受けていました。

栗田さんは川の名前が面白いと思ったそうです。

5,6はエリントン・ナンバーで、ミヤマさんの曲に対する深い深い解釈が感じられました。

セカンドも7,8とスタンダードが続き、9,11,12とセロニアス・モンクの曲を唄いました。

日頃ミヤマさんのことは“声の魔術師”と密かに思っているのですが、あらゆる声を駆使して表現されるモンクの曲は、これまで多くのミュージシャンのトライの動機が理解できるような曲の研究のあとがわかる緻密で深い歌唱だと思いました。

13は途中二人でフリーキーになり、静かに興奮いたしました。

アンコール14でしみじみさせて頂きました。

このお二人に小牧良平(b)さん、則武 諒(ds)を加えたカルテットで413日、武蔵ホールで「ミヤマカヨコ・リサイタル」を開催いたします。

凄いコンサートになると確信いたしました。

素晴らしかったです。

耳に付けるクリームの小瓶は出てきませんでした。(分かる人には分かる)


# by sakasoo | 2024-02-25 01:11 | Comments(0)

工藤雄一トリオ

本日(23)スワンで工藤雄一トリオを聴いてきました。

メンバーは工藤雄一(P)、カイドーユタカ(B)、国場幸孝(Ds)でした。

レギュラートリオです。

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演奏した曲は

1st set

1.酒とバラの日々

2.バース

3.ザ・プレイヤー

4.スプリング

5.ナイト・アンド・デー

2nd set

6.モンクス・ドリーム

7.スリーピング

8.オール・ザ・シングス・ユー・アー

9.ボレロ

10.プレイ

enc.

11.ステラ・バイ・スターライト

でした。

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工藤さんは御病気で演奏活動を休止していた時期があり、現在も闘病中だという事なのですが、小康を得て活動を再開しているという事です。

スワンには3年ぶりだったそうです。

工藤さんの演奏は洗練されたヨーロピアン・スタイルだと思っていまして、その屈託のなさで正直印象が薄いイメージがありました。

3はペトルチアーニの曲、2,4,7,9,10は工藤さんのオリジナルです。

闘病中という予備知識があったからなのでしょうか、今夜の工藤さんからは強い信念が感じられ、“深い凄み”みたいなオーラが発せられていたように思いました。

オリジナル曲もそれぞれ味わい深く、7はフリーキーな展開になるのですが、そのフリーキーさも洗練されたクラシックの難曲を聴いているようで、工藤さんの本質を垣間見たように思いました。

このトリオにどうしてカイドーさんが参加しているのか、正直不思議に思っていたのですが、工藤さんの洗練にはカイドーさんのスパイスが必要なのだ・・・なんて思ったりしました。

8の最後のバースで工藤さんとカイドーさんの複雑なやり取りがあって、このバンドの真骨頂だと思いました。

9は国場さんがマレットでボレロのリズムを刻み、工藤さんの凄みが沸き上がってくるように感じました。

10はお馴染みの、このバンドのテーマのような、洗練されたヨーロピアン・スタイルそのもののような曲だと思っていたのですが、ここでも今までとは違う感銘を受けました。

今夜のスワンは、復活した工藤さんを応援しようとするかのように沢山のお客が詰めかけ、静かに熱心に演奏に聴き入っていたと思いました。

素晴らしかったです。


# by sakasoo | 2024-02-24 01:13 | Comments(0)

SHIORI TRIO

昨日(18)、川越一乗に行ってSHIORI TRIOを聴いてきました。

メンバーは三上志織(vo)、天辰直彦(fl)、鷲尾広太(g)でした。

一乗さんのママは、以前入間ジャズクラブ会員であったIさんと幼馴染で紹介され、何回か行ったことがあります。

バラエティーに富んだ独自のライブ企画で、行きたいと思う事も度々あったのですが、ここのところご無沙汰していました。

三上さんは、やはり入間ジャズクラブ会員のTさんが信奉する中山英二氏プロデュースのCDで気になっていまして、一度聴きたいと思っていたのでした。

鷲尾さんも初めてでした。

午後3時開始のアフタヌーン・ライブです。

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演奏した曲は

1st set

1.ディス・ハッピー・マッドネス

2.アイ・キャント・ヘルプ・イット

3.エンジェル・アイズ

4.ワンノート・サンバ

5.アフロブルー

6.ナイト・アンド・デー

7.ハウ・ディープ・イズ・ユア・ラブ

2nd set

8.ステイプル・メイツ

9.ガール・トーク

10.スピーク・ロウ

11.バタフライ

12.ラウンド・ミッドナイト

13.ラブ・ダンス

enc.

14.イパネマの娘

でした。

最初から3人で演奏しました。

1はジョビンの曲だという事ですが聴き馴染みがなく、2はマイケル・ジャクソンの曲ですがケイコ・リーの歌唱で知っていまして、面白い選曲だと思いました。

予想外の展開でした。

三上さんは地元川越出身で、4を唄う時にいつも川越祭りのことがイメージされてしまうって言っていました。

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Vo,fl,gという変則トリオですので、3人が一つになって音楽を作るというようなバンドで、三上さんもマラカスを振ったり、楽器奏者のようなアプローチをしていたと思いました。

7はビージーズのヒット曲で、好きな曲ならなんでもジャズにするというような姿勢が感じられました。

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セカンド最初の8はバックのお二人で演奏しました。

鷲尾さんはギターの特性を充分に生かす演奏で、幅広くバンドを鼓舞していたと思いました。

11が面白く、12は独特の深い解釈で秀逸でした。

天辰さんの魂を込めるような演奏はいつもながら凄かったです。

この3人での演奏は今回が初めてだったそうですが、一乗さんのライブはこのように面白い企画が沢山あるのです。

日曜日の午後ライブは私的にはありがたいのでした。

素晴らしかったです。


# by sakasoo | 2024-02-19 21:46 | Comments(0)

田山ひろみ+3

本日スワンで田山ひろみ+3を聴いてきました。

メンバーは田山ひろみ(Vo)、安保徹(Ts)、吉田桂一(P)、荒巻茂生(B)でした。

田山さんはスワンでは半年に一度くらいのペースでライブをやっているのですが、私は20189月以来2回目でした。

前回は吉田さん、荒巻さんとのトリオでしたが、今回は安保さんが加わりました。

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演奏した曲は

1st set

1.ホエン・ライツ・アー・ロウ

2.ヒーズ・ファニー・ザット・ウェイ

3.ゼア・ウィル・ネバー・ビー・アナザー・ユー

4.アイ・リメンバー・ユー

5.リトル・ボート

6.グッド・モーニング・ハートエイク

7.ギブ・ミー・ア・シンプル・ライフ

2nd set

8.イージー・トゥ・リメンバー

9.ジャスト・イン・タイム

10.ル・クワフール

11.ハニーサックル・ローズ

12.アウト・オブ・ノーウェア

13.ジ・エンド・オブ・ア・ラブ・アフェア

14.ザ・グッド・ライフ

15.ラップ・ユア・トラブルス・イン・ドリームス 

でした。

案外マニアックな選曲だと思いました。

5はボサノバのよく知られた曲ですが、唄う人はあまりいないのではないかって思います。

10はデクスター・ゴードンの自転車「ゲッティン・アラウンド」に収録されている曲で、これに歌詞をつけた日本人がいるそうです。

フランス語だという事ですが、床屋という意味だそうです。

412はインストで、3人で演奏しました。

前回もそうでしたが、途中でインストを挟むという構成です。

9はライブに来ていた田中真美子さんがシットインしました。

太目な艶のある声でした。

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田山さんは声量豊かで、マイクを半分くらいしか使わない感じでした。

曲の解釈も独特で、あっけらかんとした性格なのでしょうか、前向きで肯定的なステージでした。

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バックのお三方はそれぞれの実力を充分に発揮し、安保さんの豪放さ、吉田さんの流麗さが田山さんを引き立てました。

荒巻さんはいつもの少しフリーキーなところを封印し、あくまでもストレートアヘッド、ジャズベース本来の楽しみを思い出させてくれるような快適な演奏をみせて、恐るべき懐の深さを感じさせました。

4人が一緒になって演奏を楽しんでいるのが分かるポジティブなライブでした。

素晴らしかったです。


# by sakasoo | 2024-02-10 01:25 | Comments(0)